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◆かんからさんしん 解説◆
太平洋戦争末期、沖縄は米軍の猛爆撃を受け、サンゴ礁の海をみるみる血で染めあげました。津堅島では本土からの応援もなく、最終陣地とされたわずか7・8キロの洞窟に3万の兵士と十数万の民衆がひしめきあっていたのです。日本兵たちは食物を独占し、さらに避難している人々を追い出そうと射殺したり、集団自決を強要します。守ってくれるはずの日本兵が逆に住民に銃口を向けたのです。もうどこへも逃げ場はありませんでした。
 「生きる」ことの意味をサンシンにのせて唄う人々と、沖縄戦の悲惨さがアニメーションによって鮮明に描かれています。

心に受け継がれた島唄の 世界は破壊されなかった
 沖縄では、たいていの家庭にサンシン(三線)があります。祝い事であれより合いであれ、また1日の疲れをいやす晩酌の座で、サンシンと島唄と泡盛は欠かすことができません。琉球王朝文化の伝統をひく三線文化は庶民の生活に深く根を下ろしているのです。
 ところが、戦争中はサンシンや島唄は禁圧され、方言までスパイ語とみなされました。そして、3ヶ月余りにおよんだ“鉄の暴風”は家宝のサンシンを木っ端みじんに吹き飛ばし、形ある文化財をことごとく抹殺してしまいました。その廃墟の中から、期せずして廃品利用のカンカラ三線の響きがわきおこったのです。いかに猛烈な砲爆撃といえども、人々の心の中に脈々と受け継がれた島唄の世界まで破壊することはできなかったのです。
 はじめ、傷ついた心を癒し、戦場で失われた人間性を取り戻すために弾きはじめたサンシンでしたが、やがてそれは、米軍統治下の“自立の思想”をささえる柱となって、沖縄文化のルネサンスを現出させるのです。民衆によってはぐくまれた文化は、時には極限状況を生き抜く命綱となり、時には民衆の抵抗の武器にさえなるのです。
 基地と戦跡の谷間で、青い海と青い空を背景に、今日も人々は車座をつくってサンシンを弾き、唄い踊っています。一見、矛盾に満ちた奇妙な風景のようですが、彼らの心の深いところに何がたたみこまれているのか、ドラマは、今になまなましいあの戦場の日々にさかのぼっていきます。

原作・脚本/嶋津与志


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